学生は起業して倒産しよう
どーも、むたのお友達です。
僕はただの学生ですが生意気に起業を語ります。一言でまとめると「起業ってやべえ」ってことなんですが、それではまとまりすぎているのでちょっと読んでみてください。
スタートアップは死ぬほど働く
スタートアップは働きます。というか働く以外特にやることがありません。
Y Combinatorの場合
ポール・グレアムらによって設立され、DropboxやAirbnbなどの企業を輩出したシリコンバレーのシードアクセラレーターY Combinator。Y Combinatorでは仕事に没頭するように以下の言葉をかけられます。
・優れたプロダクトを作る(コードを書く)
・顧客と話す
・適度な運動
・食事
・睡眠
それ以外はするな
仮に小規模の会社を作って年収1,000万円程度の収入を得られれば満足だという場合でも、Y Combinatorほどではありませんが、多くの時間を犠牲にする必要があります。
日本の企業のケースを見てみましょう。
サイバーエージェントの場合
10月27日に決算説明会を行い、売上高3,106億円、営業利益367億円を記録したサイバーエージェント(以下、CA)。創業者の藤田晋が「21世紀を代表する会社を作る」というビジョンを掲げて設立したCAの立ち上げ期は週110時間働いていたと言います。
平日9:00~深夜2:00まで5日間毎日働いて、土日に12時間づつ働くと達成できる目標です。体力的な消耗も大きい営業職ではこのくらいが限界だと思います。
死ぬほど働いてますね。これだけ仕事に本気で向き合ったら離婚したのも納得です。結婚していない僕が言うのもあれですけどご苦労様です。
(CAの決算説明会のログは以下で見ることができます)
リブセンスの場合
それを超えたのが史上最年少上場を果たした村上太一率いるリブセンス。そんなリブセンスは週に124時間労働。おそらく人間には平等に時間が与えられているはずなので僕と同じ週7日間で生きていたとすると1日平均17.7時間労働。
ワークライフバランスの"ワ"の字もありません。7時に起床して総休憩1時間で深夜2時前まで労働。睡眠時間は5時間程度ですね。もしも1日8時間睡眠でもしようもんならやばいですし、病気で寝込んで1日棒に振ってしまったら完全に終了のお知らせですね。
オン・ザ・エッヂの場合
最後に紹介するのは何かと世間を騒がせる堀江貴文。彼も今でこそ宇宙事業やらでなにをやってるか不透明ですが創業当時は死ぬほど働いていたそう。
起業して3年くらいは友達と飲みに行くこともほとんどなかったし、異業種交流会とか講演会の類も一度も行ったことがない。
当時は食事の時間も勿体ないので1Fにあるファミリーマートから弁当やら揚げたての惣菜を買って食べてきた。それすら時間が勿体なくて社員に買いに行かせたこともある。宅配の弁当屋もよく利用していた。
土日ももちろんない。旅行も年に1度行くか行かないか。盆も正月もない。ずっと仕事。風呂に入る時間や髪を切り行く時間など完全に勿体ないと思ってほとんど行ってなかった。果ては家に帰る時間すら勿体なくなってずっと会社のベッドで寝ていたこともある。
東大を中退した時点である程度覚悟が決まっていたとはいえ異様な働きぶり。ホリエモンに言わせるとこれを楽しめないのなら起業が向いていないらしい。。。
こういった生活に耐え、上場を果たせば一般の人が到底稼げない金額を稼げるのが起業。適当にやってできるほどの世界ではないんですよ。
上記の労働時間の話を聞いて「俺は140時間働くぞおお!」と意気込む人がいますが止めましょう。理性を感情が上回っちゃってますし、影響受けやすすぎますし、倒れますよ。非効率的です。そもそも働いた時間に満足するのも謎なので、KPI(重要業績評価指標)に沿って緻密なスケジュールを立てましょう。
ゴール設定が問題
ちょっと真面目な話をすると、ゴール設定は本当に大事。スタートアップのゴール(通称:EXIT)には2種類あります。
・上場
・M&A(他の企業に買われること)
の二つです。
まず起業をした時点でこのゴール設定をする必要があると僕は考えています。さすがに具体的な目標を掲げずに週124時間も働けません。働けたとしたらおそらくいつか倒れるでしょう。
10億円規模の事業を作るのと1,000億円規模の事業を作るのではそもそも狙っていく市場など根本的な部分から異なりますし、ファイナンスの仕方にも影響を及ぼします。
「んーーー、じゃあ100億で」ってくらい軽いノリでもいいんで目標設定をして周りに言いまくるのが本田圭佑風でいいと思います。それくらい自分にプレッシャーをかけないとですし、そのプレッシャーに耐えられない人は起業に向いていないでしょう。
もしも起業をしてしまったらせめて目標だけは持っておきましょう。
学生起業は死ぬことができる
お先真っ暗に感じるような内容が続いたため最後に心を休められる内容を用意しました。学生起業のメリットを紹介します。
お金がかからない
バーンレート(月々のコスト)の低さが挙げられます。オフィスを借りずメンバーの自宅で仕事をする、ご飯は実家かコンビニで済ます、名刺も最安の、プロダクトは自分たちでコードを書く。これだけのことをすれば月々にかかるコストなんて特に思い浮かびません。
学生起業は死ねる
社会人が起業する場合は元の仕事を辞める必要があります。それまで手にしていた給料を失うということですね。学生はもともと収入がほとんどない状況で生きているため起業しようと自身の経済的状況は変わりません。そして会社が潰れたら新卒で就職すればいいんです。事業が伸びず会社を畳むことになってもよほどの場合を除き、「すんません」の一言で解決です。起業に失敗=借金地獄なんて幻想ですよ。
むしろ就職に強くなっちゃう
起業してある程度プロダクトをリリースし売り上げを上げる経験をしていれば企業としては他の就活生との違いを確実に感じます。つまり起業して成功すれば億万長者、失敗しても就活に有利というどちらにしても美味しいものなんです、学生起業って。
まあ、これを鵜呑みにして就職に有利になるからという理由で起業する痛々しい学生起業家もいます。そんな起業家はそれなりの売り上げも作れず、採用担当者からしても「こいつビジネス下手すぎるんだけど」と思われ、就職に有利には働かないでしょう。
他にも大変なことだらけ
今回書いた内容以外でも
・創業メンバー
・プロダクト
・リクルーティング
・グロースハック
・意思決定
など、起業家は頭を悩ませるポイントが大量にあります。
これら全てを的確かつ効率化して行うことがあなたはできるでしょうか。勉強と違い本質が見えない問題や答えのない問題だらけです。その中で自分が出した答えを信じて驀進するしかありません。
起業しようなんて思っている人は「起業というのは不可能を可能にすることだああああ」「AirbnbやUberのように既存の産業をディスラプト(破壊)するんだああああ」みたいに意気込んでるはずなので上記のポイントなんてクリアする自信をお持ちでしょう。
(上記のような人は
「頑張れば宇宙に走っていけるはずだ。起業家は不可能を可能にする生き物なんだから本気で宇宙に走っていける方法を考えよう。」
というくらいクリエイティブでイノベーティブな発想をなさる方です。悪く言えば頭がお花畑ということになってしまうので気を付けましょう。現実を見ることも非常に大事です。)
なので起業してみるべきだと思います。
半年後、「やっぱり余裕だわ」と思える人間は1%以下だと思っていますが...。笑
総括すると起業は圧倒的に人と違いますし、死にます。プライベートは無くなりますし、楽しいことの99%はなくなります。それでも挑戦する人がいるのはそこに価値があるから。
みなさんはどうしますか?